ブランコ。
僕は「大丈夫か?」なんて、酔っ払いをトイレに運ぶ介抱人のフリをしながら考えていた。


リエは最初から逃げるつもりだったんだな、と。


手には荷物の全てを持っているし、と。


明日晴れるかな?、と。


ああ、ビデオの予約してたかな?、と。





そうしていないと、そんな取りとめもないことを考え続けていないと、押しつぶされそうだった。


いや、押しつぶされていたのか?


背中に当たるリエの豊満な特殊な事情は。
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