ブランコ。
「どうした?」
リエが少し不満そうにツリーを見ていた。
見たかったんじゃないのか?
「う〜ん……青」
「青?」
「う〜ん……白」
「白?」
「うん、私ね、電飾の青と白って嫌いなの」
確かに青と白の電飾は寒々しく見える。
僕もあまり好きではない。
「寂しいよな」
「そうそう。綺麗ではあるんだけどね。暖かくない」
「そうだな」
「ごめんね、せっかく連れて来てくれたのに」
「いいさ。誰のせいでもない」
「花火だったら青も白もそんなに感じないのにどうしてなんだろ?」
「アホみたいに口開けて、上を見上げるからじゃないか?」
「そんなわけないでしょ」
リエは笑いながらツリーの下にあるベンチに座った。
僕も「まあな」と返しながら横に腰掛ける。