ブランコ。
「でね、さっきの場所なんだけど」
「うん」
「お父さんの会社の保養所なの」
リエが教えてくれたその場所は、リエのお父さんの会社が所有する保養所が建っていた。
保養所の周りは鬱蒼とした森で、他に花火のある川辺に対して開けてる場所がない。
しかも、保養所以外にその山の利用者はおらず、その為、車を止めるスペースもないほど道は狭いそうだ。
夏のこの時期には管理人が常駐し施設を開けてくれている。
さすがに、土日や盆休みは社員の利用者が多いのだが、お父さんの名前を出せば、花火の間のわずかな時間であれば、車を止めたりしてもいいそうだ。