ブランコ。
僕らが行くのは、いつも決まった店だった。
値段もそこそこ、味もそこそこの大手チェーン店のパスタ屋だ。
きっとほとんどが冷凍食品なんだとは思うが、ソースばかりにこだわり、肝心のパスタの茹で具合を天気予報で決めてるとしか思えない隣町のパスタ屋より、僕はここの方が数倍もマシだと思っている。
日曜の昼下がり、昼食時ということもあり、店内は混んでいた。
おしゃべりに夢中な若いお母さんたちの足元で、野放しになった子供たちが騒いでいる。
そのバイ菌のような繁殖力で、じわじわと僕らの座る窓際のテーブルまで順調に勢力を伸ばしてきていたが、僕のひとにらみが効いたのか、それ以上の侵攻は諦めてくれたようだ。