ブランコ。

この作業に入る前に「女性は軽いのでいいみたい」と言った僕に、境はこう言っていた。


「結婚して家庭に入ったら、家のことってやっぱり主婦がすることが多いでしょ? そんな時に重いからって、たったこれだけのものをダンナが帰ってくるまで放っておくなんて邪魔で仕方がないもん。十何キロもある赤ちゃんを誰だって抱っこしたりするんだよ? 今、それより軽い物を、私たちが運ばない理由なんてないもん」と。



そんなことを思い出しながら、僕は境が通り過ぎるために、ちょっと体を脇に寄せた。

その時、偶然にもあるものを見てしまった。
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