ブランコ。
「お前もいろいろと忙しいんだな」
「おかげさまで」
「…………」
「…………」
「……それで、今度は境さんか?」
「そうなんです。今度は境に飯を奢ってもらいました」
「…………」
「…………」
僕は山岸が冷静さを装いながら、段々とイライラしているのがわかった。
僕が意図的に山岸の話をはぐらかさず、内容を肯定しているのがショックであり不快なんだろう。
小耳に挟んだに過ぎないが、山岸がリエに惚れているという噂を聞いたことがあった。
直前までは半信半疑だったが、山岸の態度を見ていると、どうやらそれは本当のことだったらしい。