ブランコ。
実は、僕の頭の中ではさっきから警報が鳴り響いている。
グルグルと回るランプも、黄色から赤に変わっている。
もしこれが、俗に言うストーカー行為であるとするならば、リエの身辺にも危害が加えられるかもしれない。
(助けるのか……?)
僕は自分自身に問い掛けてみる。
僕には助ける義務はあるのか?
義務とか必要なのか?
首を突っ込んでいいのか?
すでに突っ込んでいるのではないか?
せっかく手に入れた、安穏な生活を崩したいのか?
人の人生に干渉しないスタンスじゃないのか?
僕は昼の名残を残しながら、長くなり始めた車の影を見ながら、答えの出ない考えをグルグル、グルグル巡らせていた。
外では、相手にフラれてしまったのか、狂ったようにセミが鳴いている。
僕も何故だか泣きたかった。