ブランコ。
「どうしたの〜? 私、何かおかしいこと言った〜?」
「い、いや、今、境と居たもんですから。ちょっと変な顔されて笑っちゃったんです」
リエが手を伸ばし、僕のシャツを引っ張る。
『変な顔』という僕の発言に対する抗議のようだ。
僕は手を一杯に伸ばし、リエの額をガシッと鷲掴みにして、こめかみをグリグリと強めに揉んでやった。
リエは僕の手首を両手で掴み、振りほどこうと必死だ。
「…………」
「先輩?」
「ん? あ〜そうだったの〜。楽しそうだね〜」
「えっ? そんなことないですよ」