ブランコ。

僕がそう言った瞬間、リエの動きがピタっと止まる。

表情を窺おうとしたが、額を掴んだままなのでリエの表情は見えない。


(ひっく……ひっ……)

(えっ!? 泣いてる?)


リエが嗚咽している。

僕は掴んでいた額を慌てて離しリエの顔を見た。


(ベー!)

(思いっきりあかんベーしてやがる……)


僕はリエの頬っぺたを引っ張りながら、先輩との会話を続けることにした。
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