ブランコ。
僕は誰にも気付かれないように、そっと先輩にVサインを送った。
そして、Vサインのままジュースの自動販売機の方を指差して催促をした。
先輩は「え〜ん」とまぶたを指で擦る泣き真似をした後、笑いながら自動販売機へと財布を握って走っていった。
自動販売機に向かいながらも、途中のクレーンゲームの景品のぬいぐるみに気をとられて人にぶつかったり、僕の分と自分の分を買った後に、帰ってくるボックスがわからなくなって、キョロキョロとしている顔を見て、僕はゲラゲラと笑った。
そして、僕を見つけてパッと明るくなった顔で駆け寄ってきてくれるその姿は、本当にまぶしくて、思わず僕は目を細めてしまった。