ブランコ。

いくつかの家の前を通り過ぎると、センサーで発光するライトに照らされた。

そういえば、僕らが小さい頃にいた番犬というヤツは、このライトにその防犯という立場を取って代わられていた。

人間にも犬にも住みにくい時代になったわけだ。

それもそのはず、夜中にこうやって自転車を漕いでいるヤツもいるんだから。



目指すコンビには、真っ暗な国道沿いにポツンと立っている。

その誘蛾灯のような吸引力は、田舎にありがちな若者を多く惹きつけている。

『不良』であるとか『ヤンキー』と呼ばれる連中だ。

何が楽しいのか、何を求めているのか、コンビニの横の駐車場にたむろしている。
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