ブランコ。
「『恐れ』というものを常に抱いてください。人間は常に恐れというものを抱いて進化してきたと僕は思います。火におびえ、猛獣を恐れ、天候を危惧する。そして、火を起し、守ることを覚え、猛獣との境界線を引き、天候に負けない作物を作ってきた。これらは全て、何かに恐れてきたからこそ、今日の進化に繋がったのではないでしょうか? みなさんがこれから直面する現実だってそうです。仕事に恐怖し、人間に恐怖する。そうすることによって、その物事に対して構える。軽く見ない。決して、先輩を敬えとか、平身低頭で顔色を窺えと言っている訳ではないのです。
『あーこの怖い先輩に、こう言ったら怒られる……』
『あーこの書類、また修正されるのかなあ……』
『あー取引先の社長怒らせちゃった……』
なんてことが、これから多々あるかと思います。そういう時に、
『怖い人だから、怒られないようにこうしよう』
『ミスを訂正されないように、自分なりにしっかりチェックしよう』
『機嫌を直してもらうためにはどうすればいいのか?』
と思うこと。これが僕の言う、『恐れを抱け』ということです」