ブランコ。


「ははは……。真面目ではないですね……」

「いえ、ある意味真面目です。ですが、それだけではないのです。そういったタイプの人間は、ある意味いつもビクついてます。居眠りするくせに、ビクついてるもんだから、ちょっとの音でも起きてしまう。そして、ビクついているが故に、自分の身を守るために、観察眼が備わっています」

「そう……なんですかね?」

「ええ、そうです。だっていつもキョロキョロしてたでしょ?」


課長は笑いながら、ビールジョッキに口をつけた。

そうやって喉を潤しておいて、話を先に進める。
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