堕天使のお気に入り。

「思い出したな。」

少し緩んだ腕の中で、

呆然とするわたしの瞳を、

ルキフェルが覗き込んだ。

その瞳と焦点が合った時、

幼いわたしの声が聞こえた。

「・・・うん、いいよ。」



「わたしとの契約・・・いや、

 人間の世界では、

 特に、焔の年頃では、

 約束というほうがよいのか。

 わたしとの約束は絶対だ。」


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