星想い
今日まで、これからも、
私だけだったはずなのに。
入学早々、適当に街を回って
偶然 見つけた場所だった。
この屋上の把握者は私だけで、
ずっと、私だけの場所。
…だったはずなのに。
屋上について、鍵のかかっていない
鉄の格子についたカンヌキ錠を開ける。
キィイときしむ音がして、
ゆっくりと扉は開いた。
屋上に足を踏み入れる。
風が吹き付けた。
そして、屋上を見回した私は、
目を見開いた。
――誰か、いる。
屋上の奥の地面に寝転んで、
空を見ている誰かのシルエットが、
見えた。