星想い



家に帰るけど、

やっぱり灯りはついていない。



まぁ、最近…

屋上に出かけてばっかりで、

遅くなっているから。



ポストの中に入れられた鍵を使って

家の中に入った。



ダイニングに歩を進めると、

テーブルの上には、

ラップ包みの肉じゃがと

鯖の味噌煮があった。



『最近 帰るの遅いね。

友達と遊んでるのかな?

晩ご飯、温めて食べてね。

大好きだよ。

――お母さんより』



…友達、か…。



カイの容姿を頭に思い描きながら、

肉じゃがと鯖の味噌煮を片手に、

レンジの蓋を開ける…。



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