星想い
幼い頃から嫌いで嫌いで、
しかたがなかった。
無職のくせに
お母さんにまかせっきりで、
自分は酒ばかり飲んで。
酒瓶を片手に、意気揚々と
空想を私に語っていた姿しか、
記憶に残っていない。
…情けないと思わなかったのか。
それとも、空想事は、
叶うと思っていたのだろうか。
だからやすやすと、
「星を捕まえる」なんて、
口にできたのかな…。
…少しずつ腹が立ってきて、
無意識のうちに私は、
頬の肉を噛んでしまっていた。
「…千咲希?どうしたんだ?」
カイの声で、ハッと気がついた。