星想い
カツン、カツン、と非常階段を
1段ずつおりながら、街を見下ろした。
灯りの波紋が、
ゆっくりと広がっていく。
カイだったら、この夜景を、
なんと表して私を呆れさせるのだろう。
いつしか、
そんなことを考える自分がいた。
…最近ずっとカイと屋上で
話していることで、
感化、されてきたような気がする。
…どのように、かはわからないけど。
出会った時は気まずかった屋上だけど、
今はけして、居心地が悪い訳じゃない。