星想い



…家に帰る。



やっぱり灯りはついていなくて、

でもそれが当たり前だから、

肩を落とすことはない。



玄関を抜け、リビングを通り、

ダイニングテーブルに足を運んだ。



今日、そこに置いてあったのは、

ラップ包みのカレーのルーだった。



そして、手紙も。



『今日はカレーです。

ご飯にかけて、温めて食べてね。

大好きだよ。

――お母さんより』



無言で炊飯器から白ご飯を器によそい、

ルーをレンジで温めてご飯にかけた。



ダイニングテーブルに運んで、

1人のご飯を、食べ始める。



< 117 / 300 >

この作品をシェア

pagetop