星想い



どうしよう。



そそくさと帰るべきか…。



でも、それだと

相手に失礼かもしれない。



一応、危険な人じゃなさそうだけど…。



その時、また、屋上の奥から風にのって

声が流れてきた。



なんとなく、耳当たりのいい、

声だった。



…けど、聞こえてきた言葉に、

思わず私は眉を潜めてしまった。



「おーい、誰か知らないけど、

こっちこいよ。

お前も風の波に打たれに来たの?」



「…はっ?」



風の…波…え、なに?



…幻聴?



それとも…ちょっとアレ系の人?



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