星想い



悪口じゃないのは重々 承知してて、

クラスで浮いている私の話題が出るのも

そう珍しいことじゃない。



…私には、

友達といえる友達なんていないから。



高校2年生で友達が1人もいなくて、

しかも母子家庭なんて、格好の獲物だ。



…聞こえないフリをして、

そそくさと準備を進める。



教科書や筆箱をすべて通学カバンに

詰め込んで、肩にかけた。



扉を開く。



教室を出る瞬間、

一瞬、クラスはシンと静まった。



これは、毎日のこと。



いつものように足早に廊下を歩いて、

靴を履き、校門をくぐって、

屋上に足を進めた。



私が落ち着けるのは、

あの場所だけなのかもしれない。



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