星想い
階段を1度も休まずに登ってきたから、
息がきれている。
息を整えようと深呼吸をしてから、
ゆっくりと、
扉にかける手に力を込めた。
キィィ、ともはや
聞き慣れた音が屋上に広がって、
奥から声が流れてきた。
「あ、千咲希!空みた?そら!
なんか、ドラゴンが炎はいたみたい」
…はぁ、と相変わらずの空想野郎ぶりに
呆れを通り越して尊敬の念をいだく。
屋上の奥に歩みながら、返事をした。
「ドラゴンなんか、存在しないし。
それに、空を覆うほどの火をはける
ドラゴンがいたら、
とっくに地球は滅んでる」
カイのとなりに、腰を下ろす。