星想い
カイがハハ、と眉根にシワを寄せて、
あの、脱力するような
やわらかい笑顔を作った。
「千咲希ってほんと、
そういうの嫌いなんだな」
「…だって、あり得ないし」
空は茜と紺が絶妙なコントラストを
奏でながら、夕闇に侵食されていく。
肌寒くて、
少し風が吹くと鳥肌が立った。
明日は、もっと温かい格好で来よう。
いよいよ斜陽の光も暗くなってきた頃、
カイが、澄んだ海みたいな青い瞳で、
私の平凡な黒い瞳を覗き込んできた。