星想い
「…なに?」
なんだか視線を不快に感じて、
目をそらしながらカイに問うた。
カイは顔を離して、
苦いような笑顔で私に言う。
「…本当に千咲希は、空想とか、
そういうのしないんだなぁって思って」
…そんなの、わかりきったことじゃん。
カイから顔を背け、
ぼやけて沈んで行く夕陽を見ながら、
答えた。
「…当たり前じゃん。
空想なんて無意味で、
現実逃避の、塊でしかないのに」
夕陽が、沈んで行く。
街を、真朱から鉄紺に染めながら。