星想い
そう尋ねると、カイは
軽く微笑みを浮かべて、言った。
「想像しても、
確かに現状は変わらないけどさ。
現実逃避なんて、
千咲希は1度もしてないだろ」
…いや、なんか、私の言いたいことと
食い違ってるような…。
でも、カイの無邪気な笑みをみると、
なぜかそう言うことはできなくて。
悶々としながら視線を空に投げかけた。
苦々しく空を仰ぐと、いつの間にか
とうに日は沈み、かすんだ薄月が
幻想的に浮かび上がっていた。