星想い



カイが執拗に、私に声をかける。



「ほら、街に灯りがついてきた。

この前は宝石って言ったけど、

よく見れば色とりどりの花火みたい」



「…あっそう」



「あ、ほら、山らへん見てみ!

狐火がついてる」



「…車が山を登ってるだけだし」



あーもう、うるさいなぁ。



苛立ってきて、

声を塞ごうと耳に手をかける。



…その手の間から

入り込んできた言葉。



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