星想い



そんなの…。



その先を考えあぐねて

コンクリートの地面を見つめていると、

また隣から、声がした。






「何があったかは知らないしムリに

訊かないけどさ、色々溜め込んでると、

いつか、限界がくるからな」






…黙っていると、

カイが立ち上がっていつにない

真顔のまま、言った。



「俺、帰るわ。千咲希はどうする?」



…カイに便乗するのに

なんとなく抵抗を覚えて、断る。



「…私はもうちょっとここにいる」



「そっか。んじゃ、バイバイ」



カイが扉を開けて、

屋上から出て行った。



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