星想い



マンションの壊れた裏口から

外へ出ると、家に帰って行った。



静閑な住宅街の端に位置する私の家。



…家に着くと、他の家みたいに

温かい光が、窓から漏れていた。



…驚いた。



…お母さん、まだ行ってない?



ほんのりと、かぐわしい香りが

私の家の中から漂ってくる。



慌てて扉を開けて

リビングに飛び込んだ。



そこには。



「あ、おかえり千咲希。

今日は早かったのね。

8日だけ休みもらったから、

しばらく一緒にご飯 食べられるよ」



お母さんがエプロン姿でキッチンに

立って、野菜を炒めていた。



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