星想い
だんだん、棺のかたわらに居る人が
少なくなっていくのを眺めていると、
誰かが8歳の私の肩をたたいた。
「千咲希。その花を、
お父さんの棺に入れてあげてね」
…黒い礼服を着たお母さんだった。
私は棺桶に歩み寄って、静かに、
ソッと、遺体の上に花束を置いた。
お母さんにつれられて、
席に座る。
お母さんの横顔を盗み見る。
――憂をおびた端麗な横顔に、
私は何も言えなかった。
ゆっくりと、
視界が狭まっていく…。