星想い



私は、いつから、

空想をしなくなったんだろう。



父親が、死んだ時から?



それとも、もっと、昔のこと?



“星を捕まえる”



それは父親の口癖じゃなくて、

私がよく口走っていた言葉だった。



いつから私は、

現実という名の地面ばかり、

見るようになったんだろう。



いつから、

空を見上げることをやめたんだろう。



抽象的な言葉のかけらが、

たくさん、たくさん、湧き上がる。



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