星想い
コンコン、という音が耳に入って、
目を覚ました。
ぼんやりとした外灯の光が、
カーテンを通って
部屋の中に差し込んでいる。
少しの間、なんの音かわからなくて、
扉の方に視線をやって初めて、
ノックされたと理解した。
…え?だれ?
慌ててベッドの上に起き上がると、
布団の擦れた音が部屋に響く。
部屋の外から、聞こえた声。
それは。
「…千咲希、ただいま。
起きてるかな…。
もうそろそろ落ち着いたかな、と
思ったんだけど、大丈夫?」
…お母さんの、声だった。