星想い



え…なんでお母さんが居るの?



だって、お母さんが帰ってくるのは

いつも午前8時くらいなのに。



驚いて返事を返さずにいると、

お母さんはそのまま話を続けた。



「…やっぱり、私のこと嫌ってるよね。

ごめんね。…お父さんと結婚して」



…その言葉が聞こえた瞬間。



鋭い何かで胸を貫かれたような、

気がした。



暗い部屋の中に広がるお母さんの声。



「片親なんて、嫌だよね。ごめんね…。

千咲希は気にしてないのかなって、

ずっとそう思ってたの」



…唇を、かみしめた。



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