星想い



『希望の花が、

 千々に咲き誇りますように』



――千咲希。



そんな意味が、込められていたの?



…全然、知らなかった。



そんなの。



…初めて、聞いた。



「…千咲希は今、

希望の花に囲まれているかな。

もしかしたら、今は、蕾かもしれない。



でも、諦めなかったら、

希望の花は、絶対に咲くんだよ」



…どうして、お母さんが、

こんなことを言うのか。



それを考えると、また、

不要な何かが目から溢れ出しそうで

怖かった。



もう、泣きたくないのに。



< 215 / 300 >

この作品をシェア

pagetop