星想い



希望の花になんて、囲まれていない。



希望になんか囲まれたことがないって、

断言できる。



だって、希望なんて持ったところで、

無意味――。



「…千咲希が泣いたところね、正直、

 わたし…お父さんが亡くなってから、

 あの日、初めて見たの。



 千咲希はずっと、

 自分で自分を押し留めていたのかな」



ベッドの上。



お母さんの声が、だんだん、小さく、

か細くなっていく。



我慢していたのは、お母さんでしょ。



そう、言いたくなった。



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