星想い



涙が布団を、

グショグショの制服みたいに、

濡らしていく。



「…涙を、流した分、だけ…っ、

 花は、育つよ…。

 っ、いらない我慢なんて、しなくて…

 いい、から…」



全部全部、濡れていく。



灰色の部屋着。



青いカバーの布団。



涙を拭う、私の手の甲。



ゆっくり、ゆっくりと、

カーテンから差し込む光が、

増えてくる。



陽が、昇る。



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