星想い



お母さんは、キツく

とがめるようなことはしなかった。



自分の涙を拭いて、

嗚咽を漏らす私を温かい目で

眺めながら。



静かに、とても落ち着く声で、

言葉をなうた。



「…人を傷つけるのは思いの外

簡単だから、

誰でも安易にできるんだよ。



千咲希もそうだし、千咲希を

傷つけたその子たちにも、できたよね」



…コクリと、頷く。



カイを、お母さんを傷つけたのは

私の言葉で、

それは口を開けば誰でも言える言葉。



人を傷つけるのって、本当に、簡単で。



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