星想い



お母さんの声が、

不思議と心地よく、私の中に響く。



まるで、今まで

複雑に絡まり合っていた糸が、

ほぐされていくような気持ち。



「…でもね、千咲希。

本当に難しいのは、相手を傷つけたって

いうことに気づいて、謝ること。

千咲希は、ソレができるから、大丈夫。



――その男の子にも、

謝らないといけないね」



黙って、頷いた。



『謝らないといけない』ということは、

私が1番わかっていた。



カイと、会わないといけない。



…私が傷つけてしまった、

唯一無二の親友と。



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