星想い



お母さんは昨日のことどころか、

一週間前のこともなかったみたいに、

快活で。



お母さんのサッパリとした笑顔を見て、

私を囲んだ訝しげな視線も、

気にならなくなった。



2人、リビングで軽く談笑しながら

30分ほどを過ごし、午後3時半。



空ヶ丘高校に行こうと、

玄関の扉を開けた。



広がる、澄み切った氷のような、空。



冷たく身を貫くような風が吹く中、

駅まで歩いていく。



制服姿に、お母さんがお節介で

つけてくれた

紺色のチェックのマフラーを巻いて。



< 233 / 300 >

この作品をシェア

pagetop