星想い



流れていく街並み。



マフラーに顔を埋めて

歩を進めていくと、50mほど先に

空ヶ丘高校の校門が見えた。



次々と、中から人が出てくる。



――急がなきゃ。



駆け足で校門の前に行くと、

赤煉瓦に表札がかけられており、

金文字で『私立空ヶ丘高等学校』と

学校名が彫られていた。



中を覗くと…真っ白な、新設のようにも

思える校舎が佇んでいた。



スマートフォンを取り出して、

時刻を確認する。



…4時11分。



少し遅かったかもしれない。



< 237 / 300 >

この作品をシェア

pagetop