星想い
流れていく街並み。
マフラーに顔を埋めて
歩を進めていくと、50mほど先に
空ヶ丘高校の校門が見えた。
次々と、中から人が出てくる。
――急がなきゃ。
駆け足で校門の前に行くと、
赤煉瓦に表札がかけられており、
金文字で『私立空ヶ丘高等学校』と
学校名が彫られていた。
中を覗くと…真っ白な、新設のようにも
思える校舎が佇んでいた。
スマートフォンを取り出して、
時刻を確認する。
…4時11分。
少し遅かったかもしれない。