星想い



駅に向かおうと踵を返して、さっきの

彼女たちの会話を思い浮かべる。



カイがあまり話さない、というのは

結構ビックリした。



屋上で会っていた時はあんなに饒舌で、

初対面でも特に無愛想だったりとか、

なかったんだけど…。



…屋上、か。



初めて見る、

駅までの道のりを歩きながら。



ふと、夜景の見える

開放された閉鎖空間のことを思い出し、

唇を噛む。



私があんなこと言わなかったら、

カイと今頃、屋上でくだらないことを

話していたのだろうか。



そう考えると、

やっぱり私のせいだということを

身にしみて感じた。



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