星想い
ソッと、鍵が壊れた裏口から、
中に滑り込んで。
非常階段の1段目に、足をかける。
そのまま続けてのぼろうとすると、
すぐに息が切れた。
あー…一週間も部屋の中で
殆ど動かずに過ごしてたからだな…。
ゆっくりと時間をかけて、
最上階の、その上を目指す。
だんだんと、高く、
見晴らしが良くなっていく景色。
遠くの空が、淡黄色に染まっている。
山の峰々が、空気にぼやけた夕日に
照らされかけていた。