星想い



踊り場で息をつき、腰を下ろす。



体力が、前に比べてあっという間に

なくなった。



息を整えながら沈みゆく夕陽に

色染された街を、手すりの隙間から

見下ろす。



あぁ、ここ。



この踊り場よりももっと高い場所で、

カイと2人で、見たことがある風景。



…見とれる間も無く立ち上がると、

また階段を登り始めた。



夕陽が沈むまでには、着くだろう。



明日、キチンとカイに出会えるよう…

許してもらえるように、夕陽に祈ろう。



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