星想い
信じられない思いで、
後ろ姿に見入る。
人影が、こちらを向く。
喉が、キュッと締め付けられる――。
「…あ、千咲希、久しぶり!
元気だったか?」
屋上に、波紋を描いて拡張していく
耳当たりの良い声。
一週間、ぶりで。
その声を聞いたのは。
どうして、ここに。
なんでいるの。
だって、きっともう2度と
来ないだろうって勝手に思い込んでて、
だから――。
肝心な時、なのに。
言葉が、出てこない。
彼が私の方に、近づいてくる。