星想い



私って、こんなに涙もろかったっけ。



この涙が全部、

カイへの謝罪の言葉になればいいのに。



顔を上げると、霞んだ視界にうろたえる

カイの整った顔が映った。



終いには嗚咽まで漏らして泣く私を、

カイは困った様子で見ている。



カイの、大海色の瞳が、

潤んだ世界の中で鮮やかに浮かんだ。



君の青い瞳に、

今の私はどう映っているのだろう。



突然 泣き出して、めんどくさい。



なんなのだろう、こいつ。



そんな風に思われていたとしたら…。



また、あの日のような寒さや冷たさが

蘇りそうで、怖かった。



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