星想い




「…っ」



喉が焼けるみたいに熱くなっていって、

より一層 言葉を発せなくなる。



なんで、涙って流れるんだろう。



お母さんは『泣いたっていい』と

いっていたけど、こんな時は、

泣きたくない。



カイ。



『2度と会いたくない』なんて言って…

傷つけて、ごめん――。



「…と、さぶっ」



「…?」



突然、背中に何かが被さって、

目をこすりながら顔を上げた。



視線の先には、真っ白なシャツを着た

カイが、私の背中に黒い学ランを、

かけてくれていた。



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