星想い



小瓶を受け取る。



小瓶の中に詰め込まれた金平糖が、

カラリと揺れて音を立てた。



「まぁ、食えよ。

別に俺、千咲希が落ち着くまで待つし」



震える手で、

小瓶の蓋を開けて、

濡れた手のひらに金平糖を落とす。



落ちた星屑の色は、青色だった。



カイが私の手から蓋が開いたままの

小瓶を抜き取り、同じように

手のひらに茜色の星屑を転がす。



そして、ひょいと空に投げ、

見事に口の中に入れた。



…涙を拭いながら、

金平糖を口の中に入れる。



――あの日と変わらない、

優しい味がした。



< 255 / 300 >

この作品をシェア

pagetop