星想い
…ようやく涙が止まった頃。
空はとっくに夕に暮れかけていた。
「…ありが、と」
寒そうに震えるカイに学ランを返すと、
ふにゃりと脱力しそうな、
相変わらずの笑顔を返される。
「どーいたしまして。ああ、さぶ」
カイは真っ白なシャツの上に
学ランを着て、
やっと震えが止まったようだった。
「学ランだけでも、
やっぱまだ暖かいな。
んで…千咲希、もう大丈夫?」
くっ、と唇を噛む。
言わなくちゃ。
言える、はずなんだから。
深く息をついて、ごしごしと
目をこすると、カイと向き合い、
その、真っ青な瞳を、見つめた。