星想い
「…カイ…」
「ん?なに?」
大丈夫…言える。
ふと視線を揺らした先。
西の空に、一番星が…光っていた。
「…色々、酷いこと言って…ごめん…」
時が止まったような気がして。
一瞬のような永遠のような、
数秒のだんまりが続いて…。
カイはポカンと
不思議そうな顔をした後。
――やわらかく、微笑んだ。
「…いいよ。
千咲希がまた屋上に
来てくれただけでも、嬉しいから」
…カイは、まるで、
私が頬張った青色の金平糖のようで。
…とても、優しかった。