星想い
にかっ、と
何も気にしていないかのように
屈託ない笑顔を向けられる。
「俺、千咲希が
初めての友達だったからさー、
めっちゃ落ち込んだんだけど…な。
千咲希が戻ってきてくれただけでも
嬉しいんだ」
「…ありがと」
少なくとも、私には絶対に
言えないような言葉を、
カイはあっけなく紡いでしまう。
初めての友達。
…私も、そうだ。
上空に目をやると、
茜から紺へと移り変わった夕空が
雄大に広がっていた。