星想い



「なんか…海の中に居るみたいだな」



声の方を向けば、

カイもまた空を見上げていた。



「…うん」



濡れているような、濃い青い空を

見ていると…。



まるで自分が海中に、

逆さまで立っているような錯覚に

陥りそうになる。



階下には、眩しい灯りが

いくつもいくつも、数え切れないほど、

街中に広がっていた。



…景色が、綺麗で。



「なんか、海の中で逆立ちしてる感じ。

 水面に、夜景が映ってる」




それを見ているとやけに

懐かしい気持ちになってくる。



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